新型iPad Proとデジタルツールの進化


ご存知だと思いますが、本日Appleから新しい製品群が発表されました。その中で、今後僕たちクリエイターの仕事に変化をもたらしそうな新型iPad Proと将来的な展望を書いていきたいと思います。いつもながら、これから書くことはあくまで僕の私見ですが、僕自身結構本気でそうなるだろうと予想しています。


・情報消費ツールからクリエイティブツールへ

2010年にiPadが出てから来年で9年が経とうとしています。当初iPhoneの大型ディスプレー版という印象の強かったiPadですが、徐々に使い勝手が向上し、今ではiPadのみで動作するアプリも多くあります。また、大きくて分厚い媒体だったものが、よりスタイリッシュになり、純正キーボードも発売されてタブレットでありながらよりノートパソコン的な使い勝手も提供できるまでになりました。


ただ、それでも前世代までは動画の視聴や電子書籍リーダー、簡単な入力とテキスト編集等の用途がメインでプロが本格的に使えるデバイスとしては様々な制約があることも事実でした。アドビに代表されるプロフェッショナルソフトのフルバージョンがないことやApple独自仕様のライトニングコネクタがネックとなり、UIや操作感は非常に優れていながら、それをクリエイティブ分野に活かしづらい歯がゆさがありました。


「Powerful Creative Product」AppleのCEOが今回製品発表でiPad Proを紹介する際に発した第一声です。そう、iPadは(少なくともiPad Proは)もはや情報を消費するデバイスではなく、ユーザー自らそれを使ってクリエイトしていくツールとして進化したことを印象づけました。


・iPad Proに最適されたPhotoshop


写真や映像分野のクリエイティブプロがiPad Proを積極的に使う上で外せないソフトウエアであるアドビPhotoshopがiPad Proに最適化されたことも、iPad Proが今後コンテンツメーカーが今まで以上にモバイル環境で即座に編集や創造性を発揮する場を提供するきっかけになることでしょう。


Appleの発表会でも3GBものPSD(Photoshop形式ファイル・157レイヤー!)をスムーズに編集するデモが行われ、新世代の編集方法を感じました。Apple Pencilのタップファンクションでピクセルレベルのズームイン・アウトができることもiPad Proを使う画像編集で新しい操作だと感じました。


PhotoshopのiPad Pro版に続いて、おそらくPremiere ProやIllustratorなどのアドビ製品もじきにiPad Proに最適化されてくることは予想できます。いよいよタブレットがデジタルクリエイションのメインデバイスになる幕開けではないでしょうか。


・新時代のフォトグラファーワークフロー


さて、私達フォトグラファーの視点で見ると、もはやパソコンすらいらない未来がすぐそこまで来ていると予感させます。コマーシャル撮影などテザリング撮影が必須の現場では、いままでノートパソコンとカメラを接続させていたものが、iPad Proに置き換わり、そのままPhotoshopを使ってワコムのCintiq ProのようにApple Pencilで編集をしていくようになるかもしれません。そして、そのままクライアントにクラウドサービス経由で納品するといことが実現できます。


個人的には、今後こうしたテザー撮影が現場で気軽に実現できそうなことに一番興奮しました。以前、マイクロソフトのSurface Proシリーズが一番モバイルテザリング撮影用途に向いていると思っていましたが、今回の発表でiPad Proが選択肢に入っきた感じです。もちろん、各ディベロッパーがどのように対応するかや、カメラメーカーがiPad Pro用のアプリを開発するかも重要な要素ですが、少なくともハード的にはこのワークフローが実現できそうでワクワクしますね。Capture One ProのフルバージョンがiPad Proに載ってきたらもうパソコンいりません!


ということで、少し興奮気味に書いてしまいましたが、近年Appleの製品はどれも今までの延長線上の製品が多く真の革新的なものが不在という印象でした。でも、今回の発表会ではタブレットデバイスの新たな方向性を示したということで非常にワクワクしています。また、Mac miniとMacBook Airが更新された今、あとは例のフラッグシップデスクトップだけですね。笑


追加:2:13近くに実際にカメラとiPad Proを繋げる様子がデモされています。

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